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弱り目に祟り目

この言葉、案外嫌いではない。
なんとなく、ここまで来たら、いっそがんばってやろうじゃないか、という
気になるから。

一昨日だったか、夜中に目が痛いなあと思って鏡を見たら、
左目がお岩さん状態。
昨年のちょうど今頃、結膜炎を患ったのでまたか、と思っていたが
どうもたいしたことではなかったようだ。
目が赤くなったらご用心。
体力が低下しているときは、空気中の雑菌でも結膜炎になるそうだ。

今日はオーチャードホールのオペラ歌手総勢18人のガラ・コンサートへ。
イタリア在住のソプラノ歌手・岡崎他加子さんは、
私の大好きなお友達でもあるのだが、彼女も出場。
すばらしい歌声を聞かせてくれた。
あれだけの人数の中にあっても、それぞれのオペラの「役の魂」を
的確に歌いこむことができたのは、彼女だけではなかったか。
日本では有名な歌手が勢揃いしただけに、なんだか自分の存在を示すような
歌声に終始し、オペラの役の気持ちにまではなりきれない人が多かったように思う。
特に「リゴレット」の四重唱などは、あまりにそれぞれが自己主張しすぎて、
私は「アンサンブルが汚い」と感じてしまったほど。
ああいった、アリアや重唱ばかりのガラコンだと、どうしてもそのオペラ全体の中の、どういう場面での歌か、を考えるよりは、
歌そのものに力がこもってしまうのかもしれない。
でもファンなら誰でも場面は想像できるような有名なオペラばかりなのだから、
ああいう歌い方でいいのかなあ、という疑問が残ってしまった。
歌として単独で聞くには、上手な人はたくさんいるけど、
いざオペラ、という演技もしなければいけない、しかも長丁場の舞台になったとき、
どれだけの人が客を惹きつけ続けることができるのか。
そのあたりに日本のオペラ歌手の厳しさがあるのかもしれない。