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号泣

『風の盆恋歌』を読了。
何度読んでも、新たな発見があるし、自分の置かれた状況によっても
読み方が変わってくるものだと痛感する。それが小説のいいところだ。
この小説には、どきっとするシーンが多々出てくる。
それを披露してしまう気にはなれないのだが、
たとえば、男が突然、女に向かって、「・・・あのな、・・・死ねるか、俺と」
というシーン。この「・・・」の字面が素晴らしくて、
言いよどむ男の気持ちが、すべてのこの・・・に表れていて泣けてくる。
男が女にそんな言葉をかけてしまうとき、かけたくなるときは、
いったい、どんなときなのか。
そのままの会話の流れで、今度は女が尋ねる。
「あのね・・・幸せって、いいことなの? 人間にとって、生きたって実感と、
どっちが大事なの?」
と。
私は、若いとき、この言葉に敏感に反応した。
自分は幸せよりも、生きたという実感を得られる人生を歩みたい、と
強烈に思った。
その思いは今も変わらないのだが・・・。

今日は打ち合わせで六本木の和食へ。
とってもおいしい店で大満足。
編集者たちと雑談で盛り上がるのは、とっても楽しい。
その中から、新たな何かが生まれてくる。
どんなにツールが発達しても、人と人は顔を見ながら話さないと
わからないことが多すぎる。