3.11以来、何かが変わった。たぶん、もう払拭できないような大きな傷を、特に東日本在住者は味わい続けている。もちろん被災地や被災者がいちばん大変なのだけれど、東京に住む私たちもまた、先が見えない閉塞感に覆い尽くされているようだ。
そんな中、訃報が次々と飛び込んでくる。キャンディーズのスーちゃんこと田中好子さん。女優さんになってからインタビューしたことがあったっけ。まっすぐにこちらを見て、微笑みを絶やさずに真摯に受け答えしてくださったことを思い出す。
サイババも亡くなったそうな・・・。特に興味はなかったけれど、一時期、すごい人気だったっけ。
個人的にはオペラ歌手のビンチェンツォ・ラ・スコーラの急死も驚かされた。5年くらい前だったか、サントリーホールでシコフ、サッバティーニと一緒に「グレイテスト・テノール」のコンサートを開いたことがあったなあ。
エリザベス・テイラー、岸田衿子、元ソニーの大賀典雄。そして個人的には講談社の社長である野間佐和子さん。
なんだか「あのころ」の人たちがいなくなっていく。そして時代が変わっていくのを実感している。
地方選挙だ、余震だとニュースが多くなると、また原発関連の情報が薄れてくる。
ツイッターやらなんやらで、やばいことになっているという情報多数・・・。
何を信じたらいいのかわからない。
いろんなところでいろんな人が言っているが、とにかく正しい情報を出してほしいものだ。
1ヶ月がたって、少しずつ原発関連の検証もなされてきているが(昨日の讀賣新聞など)、それが真実かどうかはわからない。ただ、少なくとも情報が流れてこないことに、誰もがいらだっていたことだけはわかる。
きちんと情報を出したほうが、人はパニックにならないと思うのだが。
戦争体験者の母が言っていた。
「あのころに似てる。私たちは、日本は勝ってる勝ってると聞かされてばかりいた。なんだかおかしいと思っていたけど、正しい情報がない以上、どうしようもなかった。そのときと似てる・・・」と。
福島県南相馬市の屋内待避地区で、地元の消防団や残っている住民たちが、自ら捜索隊を組んで、行方不明者を捜しているのだという。
放射線の値が高いから、と自衛隊も警察も近寄らない。探してもくれない。だから住民たちは立ちあがった。
そのニュースを見て、とてもせつなくなった。国はもっとできることがあるのではないか。どう考えても丸腰の住民よりは自衛隊のほうが装備をもっているはずなのだから。
どんなに困っていても相談しても、行政はまったく動いてくれないと私も憤慨したことがある。変わらないんだな、どんな状況であっても・・・。
一向に何も進んでいないように見える。ことは悪いほうへと転がっていく。汚染水の流出を防ぐために、おがくずだ、新聞紙だと聞いて、目の玉がひっくり返るほど驚いてしまう。
汚染水除去専門家のフランスチームは何処へ? 全面協力するはずのアメリカは? 政府とのやりとりはどうなっているんだろう?
低レベル(って、どんなレベルだ・・・)の汚染水を意図的に流した件で、韓国は不快感を表している。当然だろう。世界中に迷惑をかけている、という当事者意識は国にはないのか。そして国民を危険にさらしているという意識も・・・。