スポーツ観戦好きの私、今はついつい世界陸上を見てしまう。
ヨーロッパタイムで暮らしているようなものだから、
時差などものともせずに・・・。
特に日本の選手を贔屓する気はまったくないけれど、
為末選手はすごかった。
やはり「ドラマ」のある人物に惹かれてしまう。
不調、そしてお父さんの死。
すべてを乗り越えて自らつかんだ、世界の銅メダル。
ストイックであることを尊ぶつもりはないのだが、
やはり自分の道に関して、志の高い人には感動と感嘆とを覚える。
人は楽なほうへ、低きほうへと流れていくものだから。
よく出版関係の人と話すのは、「売れること」を狙うのか、
「いい本」を狙うのか。
もちろん、売れていい本、というのがいちばんいいのだけれど、
なかなかそうはうまくいかない。
私の唯一の誇りは、「ちゃんと取材をする」ということだろうか。
メールですませず、相手に会って話を聞く。
もちろん、遠方であればそう何度も会えないけれど、
どこに住んでいようと、自分から一度はちゃんと会って、
時間をかけて話を聞く。
そういうところが「めんどう」と感じたら終わりだと思っている。
私は非常にいいかげんな人間だし、
快楽が好きだし、怠けるのも好き。
だけど、雑誌にしろ本にしろ、「テキトー」な取材だけは
したくない。そんなことをしたら、自分を許せなくなる。
締め切りを延ばしても、最低限の納得がいく取材はしたい。
今日、ある女性と話していて、
彼女と私の共通点は、「なぜか人と深く関わってしまうこと」だと
意見が一致した。
もちろん、誰とでもではないけれど、
なるべく早めに自分を開示してしまい、相手のこともわかりたい、と
思ってしまうタイプのようだ。
人との関係の基準値が、おそらく世間数値より「濃い」のではないだろうか。
これがいいことか悪いことかはわからないし、
いい悪いで判断するようなことではないのだろうが、
人間関係が希薄だと言われる現代においては、少数派なのかもしれない。