No.107の記事

世界陸上

スポーツ観戦好きの私、今はついつい世界陸上を見てしまう。
ヨーロッパタイムで暮らしているようなものだから、
時差などものともせずに・・・。
特に日本の選手を贔屓する気はまったくないけれど、
為末選手はすごかった。
やはり「ドラマ」のある人物に惹かれてしまう。
不調、そしてお父さんの死。
すべてを乗り越えて自らつかんだ、世界の銅メダル。

ストイックであることを尊ぶつもりはないのだが、
やはり自分の道に関して、志の高い人には感動と感嘆とを覚える。
人は楽なほうへ、低きほうへと流れていくものだから。
よく出版関係の人と話すのは、「売れること」を狙うのか、
「いい本」を狙うのか。
もちろん、売れていい本、というのがいちばんいいのだけれど、
なかなかそうはうまくいかない。
私の唯一の誇りは、「ちゃんと取材をする」ということだろうか。
メールですませず、相手に会って話を聞く。
もちろん、遠方であればそう何度も会えないけれど、
どこに住んでいようと、自分から一度はちゃんと会って、
時間をかけて話を聞く。
そういうところが「めんどう」と感じたら終わりだと思っている。

私は非常にいいかげんな人間だし、
快楽が好きだし、怠けるのも好き。
だけど、雑誌にしろ本にしろ、「テキトー」な取材だけは
したくない。そんなことをしたら、自分を許せなくなる。
締め切りを延ばしても、最低限の納得がいく取材はしたい。

今日、ある女性と話していて、
彼女と私の共通点は、「なぜか人と深く関わってしまうこと」だと
意見が一致した。
もちろん、誰とでもではないけれど、
なるべく早めに自分を開示してしまい、相手のこともわかりたい、と
思ってしまうタイプのようだ。
人との関係の基準値が、おそらく世間数値より「濃い」のではないだろうか。
これがいいことか悪いことかはわからないし、
いい悪いで判断するようなことではないのだろうが、
人間関係が希薄だと言われる現代においては、少数派なのかもしれない。