今日のNHKスペシャル、打ちのめされて泣いた。
タイトルは「いのちの対話」、妊娠中絶にかかわるふたりの医師の取り組みだ。
中絶手術はしない、と決めて一度もしたことのない産婦人科医。
それもまた産婦人科医の必要悪のひとつであるとして、
心の傷が残らないように、と気持ちを砕くもうひとりの産婦人科医。
水子供養を繰り返す若い女性、
産もうか産むまいか、パートナーとのかかわりの中で揺れ動く女性。
産んだものの育てられず、子供を養子に出す十代の女性。
子供がほしくて、すさまじい不妊治療をする女性がいる一方で、
妊娠して困惑する女性がいる。
産めるのに産まない女性、産んでも育てられない女性、
しつけという名のもとに虐待する女性、
そして、どうがんばっても産めない女性・・・。
女と生まれたからには、必ず誰もがどこかで行き当たる問題なのかもしれない。
結婚して、問題なく子供を産んで、あれこれ言いながらも
無事に子供が育っていく・・・そういう状況が平凡ながらも
いちばん幸せなのかもしれない。
個人的には結婚制度にも戸籍制度にも、
あまりにも問題があると思うけれど、
ごく普通に家庭を営み、ごく普通に家庭生活を維持している人たちを
私は本当にすごいと思う。
もちろん、その中に入れば、いろいろ問題はあるのだろう。
それでも「維持」は「意志」だから、
意志薄弱の私は、意志をもって維持している人たちに対して、
いつもどこかで忸怩たる思いをもちつつ、畏敬の念を抱いている。