No.149の記事

矛盾だらけの会話

女友達が、好きな人にふられたという。
一時期はかなり落ち込んでいたのだが、ようやく復活した様子。
かと思うと、失恋をずっとひきずって、新しい恋ができない、と深刻になっている
知り合いもいる。

好きな人に会えなくなるってつらいよね、
自分が全否定されている気持ちになるから・・・。

でもきっと、「お互いに好き」なときだって、その温度というのは
違うのだろうなあという気がする。
それに気づくと、妙に胸のあたりが苦しくなったりするのだけれど、
そこにこだわると、恋愛がパワーゲームになってしまう。
相手を変えることなんてできないし、振り向かせることもできない。
むきになって独り相撲とればとるほどつらくなる。
最後には逃げるか自爆するか、いずれにしてもいいことはない。

このところ恋愛がらみの取材を受けることがとても多いのだが、
「うまくいくコツ」なんて、ほんっとにない、とこれだけ生きてきても思う。
あったら誰か教えてほしい、とこっちが思うくらいなのだから。
どんなに好きでも、うまくいくとは限らないし、
自分の思うように愛されるなんてことは、まずない。
ということは、自分自身も相手が望むような愛し方はしていない可能性が高い。
どんなときでも、お互いの気持ちがすんなり添うなんてことはないのだろうか。

「ふられた」という女友達は、それでも自分は今も彼が好きだと
さわやかな表情で話してくれた。
戻ってきたら、いつでも受け入れる、と。
そのくらいの余裕で待っていられるなら、彼は戻ってくるかもしれない。
その決意は潔いのだけれど、やはりせつない。
人を好きになんてならなければいいのにね、
でもやっぱり好きな人がいるのはいいよねと、矛盾だらけの会話をした。