昨夜遅くに、テレビでやっていた映画「恋人までの距離(ディスタンス)」。
タイトルは知っていたけど、たまたま最後のほうだけ見てびっくり。
わお、舞台がウィーンではないか!
あの街並みを見て、それだけで泣きそうになってしまった。
世界各国、あちこと行ったことがあるわけではないけれど、
最初にウィーンに行ったとき、なぜかすごく懐かしかった。
あの感じ、他の場所では覚えたことがない。
それ以来、ウィーンに行くと、いつも「帰ってきた」ような気がする。
映画のほうはどうやらウィーンで知り合った、
パリに住む女性と、アメリカに住む男性が恋に落ちるという
ストーリーのよう。
最後は半年後の再会を約して別れるのだが・・・。
去る者日々に疎し、という言葉もあるしなあ、
恋人までの距離かあ・・・と妙な感慨にふけってしまった。
サザンの曲で、「たまに会ってるだけじゃ、お互いのことわからない〜」とか
いうのがあったなあ。
「人はなぜ恋に落ちるのか」(ヘレン・フィッシャー著 ソニーマガジンズ刊)を
読んだが、なぜ恋に落ちるのか、やっぱりわからなかった。
わからなくてよかった、という気持ちもある。
本の中に「恋する気持ちは突然生まれる」という項があったけど、
確かにそう・・・。
私はむしろ、突然、気づくほうかもしれない。
感情の変化が先で、気づきがあと。
多少なりとも、その人に「ぐらぐらっ」ときているのは
わかっているけど、「あ、恋だったんだ」と気づくのは少し遅れる。
正月の間、つらつら考えていたのだけど、
私にとって、ヤバイ恋(常軌を逸してしまうほど惹かれる)の始まりは、
相手に、ある種の「狂気」を感じたとき。
いや、もちろん、その人自身が「アブナイ人」というわけではなくて、
潜在的な狂気を持ち合わせていると、
こっちが勝手に判断しているだけなんだろうけど。
それを感じたとき、ぐっと入り込んでしまう。
そして、こういう恋は、たいてい、あまりいい結果をもたらさない。
もしかしたら、それはこちらの狂気を触発されるということなのかもしれない。
恋なんて理屈じゃないんだけど、
私にとっては、やはりどこかで常に狂気に近いものを孕んでいる。
非常に常識的な中に感じる一瞬の狂気というのは、色気にも似ている。